ぺんたゴンチャです。
女子高生、女子大生などに韓国の化粧品は大変人気ですが、それを見て「反日オンナが!くそが!」と息巻く男性諸氏もいらっしゃるかもしれません。
しかし、投資家たるもの、純粋に財務諸表と企業戦略を見て考えねばなりません。
さて、グローバル高級コスメ界の盟主たる、我らがエスティーローダー(ティッカーEL)がなんとそんな韓国化粧品ブランド「Have & Be(以下ハブ社)」を買収する意向です。
ハブ社は、ドクタージャルト(Dr.Jart)を世界中に展開しており、エスティーローダーが2015年に出資してから、大きく成長しましたので、完全子会社とすることにしたわけです。
なぜ今、韓国ブランド買収なのか?と言いますと、エスティーローダーのポートフォリオ戦略にあります。次のチャートをご覧ください。
これはエスティーローダーの保有するブランドのそれぞれのポジショニングを表したものです。
縦軸に価格帯で上に行くほど高く、下に行くほど安価なブランドであり、右に行くと先進的で左に行くほど伝統的なキャラのブランドであることを意味します。
化粧品というものは、世代や時代によって趣味、嗜好が変わりますから、どこか一つにポジショニングするわけではなく、全方位にブランドを展開するわけです。
しかも、将来成長しそうなブランドを目ざとく買収し、エスティーローダーの持つ莫大な研究開発予算や販売網を駆使し、一気に成長させていくのが同社の常套戦略です。
その一例として、1995年に始まった『La Mer』というブランドは、当初たったの100万ドル(1億円)の売上しかありませんでしたが、現在は、10億ドル(1000億円)と1000倍も成長しました。
こうした買収によるポートフォリオ戦略は、1990年代に始まったのですが、このような戦略が現在のエスティーローダーの地位たらしめていると言えます。
韓国のコスメメーカー、ハブアンドビー社の買収は、La Merの例と同じくエスティーローダーの打ち出の小槌になるでしょう。
同社の企業戦略はたいへんうまくいっており、分野は違うもののハイブランドとして共通項のあるLVMH社のM&A戦略と大変似ていると言えます。
エスティーローダーの過去5年の売上高成長率は、+8%もあります。
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株価もバリュエーションが同じなら、同じような割合で上昇していきます。配当利回りも1%前後あり、非常においしい銘柄です。
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