ぺんたゴンチャです。

住友化学が純利益58%減に下方修正し、当初は年間予定配当を22円としていたものも「配当未定」と相成りました。株価は2018年1月に860円の最高値となって以来、ひたすらダラダラと下げており、そのたびに計算上の配当利回りは向上し、多くのブロガーが「化学メーカーは超優良なのに割安!高配当!買い!」と煽っていました。

本気で言っていたのか、何らかの思惑があってそんな煽りを言っていたのかは分かりませんが、本気だとしたら相当ヤバいです。

化学メーカーなどは商社と並び、景気循環銘柄の代表格です。景気が良くなると、利益が何十倍にも伸びます。景気が悪いところは、赤字スレスレか赤字ですから、景気が良いときの利益が極めて大きく見えるのですね。

たった数年の財務データを並べて、「業績が成長している!すごい!」と認識するのは、たいへん片手落ちの分析です。景気循環に合わせて利益が大きく変動するわけですから、数年程度ではその変動を発見できないからです。

少なくとも、今からならリーマンショックの前のピークあたりからの財務を見ないと、こうした銘柄の分析はできません。できれば、2000年あたりからの財務データを見れば、利益やキャッシュフローの傾向がはっきり分かりますので、長期のデータを調べることをおすすめします。

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ほとんどの化学メーカーはほぼ同じような株価の動きをしています。ほぼ同じように景気の影響を受けるからです。

あなたは化学コンビナートなどのプラントをご覧になったことがあるでしょうか?それはそれは巨大な設備です。あのような設備は、景気が悪くなったからと言って柔軟に潰したり閉鎖したりはできません。不況で注文がなくても、ある程度は稼働させておく必要があり、その維持コストは馬鹿になりません。

よって損益分岐点が非常に高くなりますから、少しの売上悪化で、大きく利益がぶれることになるのです。

シクリカル(景気循環)な銘柄は、PERは景気の最終局面では逆指標として働きます。つまり、PERが低い=割安放置なので買い、ではなく、プロがさっさと利益確定して売り逃げていると解釈せねばなりません。

PERが低いときに買ってはダメなのです。むしろ、PERが上がり始めたら買うべきなのです。

それは景気が回復していることを意味しているのであって、割高という意味ではないからです。プロが景気回復を意識して、まだ利益が回復する段階から買いに来ますから、Price ÷ Earningsが高い値になるわけで、まだまだこれから上がることが予想できるわけです。

しかし、ブロガーたちはこうおっしゃいます。「長期投資なら今が買いだ」と。本当にそうでしょうか?

長期投資で報われるのは、長期で成長していく銘柄です。或いは、長期で配当が少しずつ増配されるような銘柄への投資です。そして長い目で見て、株価が維持されるか上昇する銘柄です。日本の化学メーカーはこれらを満たしてはいません。

日本株は長い目で見て、過去の最高値を超えられずにいますし、配当も簡単に減配や無配にしてくれます。こうした銘柄で儲けるには、明らかにタイミングが重要なわけで、アメリカ株のようにいつ買っても結局儲かるというものではないのです。

いくら長期投資とはいえ、この先、減配になる可能性が極めて高く、株価もこれから長期に渡り低迷することが分かっている銘柄に投資する理由はありません。どうして今が買いというのか意味が分かりかねます。

米国株であれば、減配の可能性は逆に極めて低い為、株価が低迷しても耐え忍ぶことができますし、世界中で商売をする米国企業は長い目で成長します。たとえシクリカル銘柄でも、です。

数年分だけの財務を見て、「割安だ!」と飛びつくのはあまりおススメできません。ただし、本気でそうお考えなら引き止めはしませんが。

すべてはあなた次第です。


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