ぺんたゴンチャです。

日本株には高配当で低PERの銘柄がすごく多いです。その一つ、昭和電工(東証4004)を見ていきましょう。なんと配当利回り5%にして、PERはわずか3倍という驚異の高配当割安株です。(PERは実績)

昭和電工は、日本を代表する化学メーカーの一つです。同業他社としては、三井化学、住友化学などです。

バリュエーションが非常に魅力的に見える要因は、このところの株価下落です。最高値で6000円を超えていたものが、現在、2800円あたりということで、半値も落ちています。50%オフ!です。

昭和電工は買ってよいのでしょうか?まず、配当を見てみましょう。

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急激に配当が増額されているのが分かります。この配当政策によって高配当銘柄となりました。
配当を無理して出しているかどうか?も気になります。この点はペイアウトレシオを見てみましょう。

 
昭和電工
配当利回り 5.11%
ペイアウトレシオ 18.5%

ペイアウトレシオは18%と非常に余裕があるように見えます。
それでは、利益の成長はどうなっているでしょうか?きちんと利益を伸ばしているのかは大変重要です。

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これはすごいですね!2014年には、一株当たりの利益はたったの19円しかありませんでした。2018年度で758円とおよそ40倍(!)にも成長しています。

もうここまでお読みになって、「こんなに儲かる銘柄はない!」と、買いたくてウズウズしているのではないでしょうか?

買うタイミングを見る為には、過去のPERを見てみるのでしたね。次のグラフをご覧ください。

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かつて90倍を超えるPERだったものが、今はたったの4倍~6倍です。

これを見て、初心者のくそダサい投資家は「うぉぉぉぉ!超割安だ!!!」と舞い上がり、拙速に株をお買いになります。

はい、これは全然割安ではありません

「え?PER4倍ってことは、超割安じゃないの?ピーターリンチは15倍以下なら買いって言ってたよ?」とおっしゃるでしょうか?

違います。全然違います。低いPERが常にお買い得だというのは、馬鹿の一つ覚えです。
次のチャートをご覧ください。上のPERグラフと同じ時期の株価を表しています。

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PERが超高いところで買っていたら、大儲けできていたことがお分かりになると思います。

こうした銘柄は、景気循環の影響を大きく受けます。
景気が悪いときは、利益がほぼゼロになるので、計算上PERは必要以上に高くなります。利益が拡大すると、PERは逆に下がってきます。
そして、玄人やプロの投資家が「そろそろ景気の終盤やな」と考え始めたとき、株が売られ、しかし、利益は絶好調のため、PERはさらに低下します。株は売られているので、株価は下げます。

ここで最近株を始めてPERを勉強し始めた人が、嬉しそうに買いまくります。
しばらくして、景気後退の兆しが出てきたころに、会社からは「来期は赤字です」とガイダンスが発表されます。ひたすら株は下げまくり、くそダサい投資家は泣きながら、損切りするはめに陥ります。

いま、昭和電工で起きていることは、「プロが景気後退を察知して、売り始めた」ことです。

そう、ぺんたゴンチャの回答は、今は買うべきではない、です。それでもあなたはこうおっしゃるでしょうか?
「でも、でも!たったの5年で利益が40倍になったんだよ?成長しているじゃないか!」

違います。それは成長とは言わないのです。

日本の化学メーカーは超成熟産業で、しかも、長い目で成長する銘柄ではありません。ということは、あとは、単純に景気循環に左右されるだけです。

数十倍の利益となるのは、それは、化学メーカーは装置産業だからです。大規模な装置産業は、ある一定の売上を超えると、急激に利益が増加するビジネス構造です。

不景気ではその逆で、生産設備を維持するだけの費用をなんとか賄うのに精一杯で、赤字になったりします。赤字スレスレになるのですから、その後の好景気の利益は、計算上、数十倍になるのは当然のことです。

これを繰り返していくのが、景気敏感銘柄の特徴です。

お金持ちになりたいなら、こうした特徴を捉えて、きちんと指標を理解して投資していけば、数年かけて1.5倍~3倍くらいの投資収益を得ることができるでしょう。

すべてはあなた次第です。

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