ぺんたゴンチャです。

株式投資で儲ける秘訣は、優良銘柄をコツコツと買い付けて、ずっと持ち続けることだと言われています。これをバイアンドホールド戦略と言います。

バイ&ホールド戦略が機能することは、例えば、ダウやS&P500指数が超長期で見たときに、株価の凹みがあってもそれは一時的な事象に過ぎず、上昇が続いていることからも理解できるでしょう。

しかし、そのダウやSP500に含まれる銘柄は、時代に応じて中身が変わってきたわけで、個別株に投資する投資家にとっては、「本当にこのまま持ち続けても良いのか?適当なところで売った方が良いのか?だとしたら売り時はいつなのか?」ということが気になり、時に不安で眠れなくなる夜もあると思います。

実際に、ダウ平均指数が始まって以来の唯一の構成銘柄だったゼネラルエレクトリック社(GE)を見れば、優良銘柄であっても、明日は我が身かもしれないと考えるのは無理からぬことです。

GEはかつては超優良企業と言われ、そのCEOのジャック・ウェルチは経営の天才とまで呼ばれました。
ウェルチの時代に株価はなんと30倍になり、栄華を極めたわけですが、ITバブル崩壊後はITバブル時の最高値を超えることなく、イマイチな値動きをして、そうこうしているうちに株価は一けた台にまで凋落していくわけです。

次のチャートをご覧ください。歴代CEOの時代を株価チャート上にプロットしてあります。

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↑オレンジの線は、S&P500指数。フラナリー後のGEとSP500のパフォーマンス差はひどい。

天才ウェルチの後を継いだ、ジェフ・イメルトの時代(2001-2016)、リーマンショックで大幅に株価は落ち込んでいます。

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その頃、GEは電機メーカーなどではなく、金融を主力とした事業構成となっていた為、非常にダメージが大きかったわけです。

リーマン後は、原点回帰ということで、非金融業を拡大させるため、M&Aを繰り返していくのですが、それらが裏目に出て、やがて、その巨額損失が表沙汰になりました。

2016年からCEOとなったジョン・フラナリーは、前任のイメルト時代の尻拭いをさせられたものの、たったの1年でCEOを解任され、いまだGEは経営再建の最中にあります。

もしあなたや私のような投資家が、ゼネラルエレクトリック株を「優良銘柄かつ高配当なのでホールド!」とばかりに買い持ちを続けた場合、どうなったでしょうか?

先ほどのチャートでお分かりになる通り、2016年にはまだ30ドルもあった株価が、今や9ドル程度ということで、大損です。

しかも、恐ろしいことに、「不人気化した優良銘柄に追加投資すれば、その後の株価回復で一気に資産増加できる!」とナンピンを繰り返していたら、もはや目も当てられない状態になっていたところです。

確かに、シーゲル教授が書いた本には、「タバコ銘柄をずっと買い続けていれば、高パフォーマンスを得られた」という研究結果がありますが、言うは易し、実際には大変難しいものです。タバコ銘柄は昔から訴訟が絶えず、一時はその損害賠償で倒産の噂がささやかれたくらいです。

それと同じように、GEをナンピンし続けることによって、もしかしたら巨万の富を得られるのかもしれません。

しかし、世の中には、もっと優良企業がたくさんあるわけで、GEにこだわる意味はありません。ということは、たとえ天才が経営する素晴らしい企業であっても、いつの日か手放さなければならない日が来る可能性があることを私たちは頭の片隅くらいには置いておくのが良いでしょう。

GEのナンピンで大損をぶっこかない為に、そして、損失を回避してお金持ちになる為に、あなたや私のような投資家ができることは、保有株の財務状況を定期的にチェックすることです。

例えば、赤字になったら売却するとか、営業CFマージンが基準に達しない場合は売却する、などのやり方があります。次のグラフをご覧ください。GEの営業CFマージンの推移です。
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2016年の決算では、営業キャッシュフローマージンがマイナス値になっています。

営業活動での現金の入りがトータルでは得られなかったことを意味し、大変な状況が起きていることを意味します。

そしてほどなくして、配当の減額となり、その後も減額は続き、今や配当はほぼゼロのレベルです。

その後、少し持ち直し、営業CFマージンは5%となりましたが、5%では競争力があるとは全く言えず、
優良とは程遠いものであり、やはり無理して保有する理由はありません。

後だしじゃんけんのようではありますが、こうした財務上の異変に気づければ、少なくとも積極的買おうとは思わない為、無限ナンピンで大損をぶっこくことはなかったと思います。今、保有している銘柄も同様にチェックを怠らないことが、資産増加につながります。

すべてはあなた次第です。



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