ぺんたゴンチャです。

今日はちょっと趣向を変えて、私ぺんたゴンチャ自身の話をしようと思います。

このブログの読者のあなたは、「やたらテック系企業の記事が多いな」とお気づきでしょう。最初に入った会社がコンピュータメーカーで、サーバやらデータベース設計、バックアップ設計というシステム基盤の分野でシステムエンジニアをしていたのでした。

それから大手の証券会社に転職して、トレーディングデスク専属のプログラマーとして働いていたところ、香港子会社に転勤となりました。ちょうど、サブプライム危機が起きる直前くらいだったと思います。

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それはそれは、景気は最高潮に達し、東京も香港も証券マンは大変バブッていました。1989年の本物のバブルとは程遠いのだと思いますが、00年代の金融プチバブルのただ中に身を置けたことは、私の日頃の相場分析に少なからず影響を与えています。

会社では、外資証券から引き抜いてきた人がわんさと居て、彼らは何千万円という報酬を貰っているとまことしやかに聞こえてきたものです。少なくとも、システム開発系の私の先輩たちも、確定申告をしていたので、2000万円は貰っていたわけです。

香港に赴任したら、金融関係者は香港島に住むのが基本ということでマンションを探すのですが、家賃が日本円で月額40万円~60万円くらいが相場でした。

私はそれをすべて会社に出してもらい、しかも、「自分で掃除したくないし、電気代水道代を払いに行くのも嫌だから、全部こみこみにして」と会社に要求したらすんなり通ったのでした。かくして、週に1回、ハウスキーピングに来てもらい、自分では掃除せずに住むことができました。

香港では、住宅費+光熱費を出してもらっていたので、あとは食費しかかからないわけで、自然とお金が貯まりました。

日本では、それとは別に給料が毎月振り込まれました。使わないので、自然とお金が貯まりました。金融機関の海外赴任というのは、本当に儲かります。

香港で私ぺんたゴンチャが何をやっていたのか?というと、トレーディングデスクに関することは何でもやる、という感じでした。システムの企画・整備(開発はしない)から、マーケットの分析、リスクの計算と本社への報告などなど。

そのうち、上司が「なんかトレーディングストラテジー考えたら、取引していいよ」と言ってくれたので、私は各国の先物を使ったロングショート取引をやっていました。ものすごく小さいポジションでしたが。

取引していた期間が短すぎたせいもあり結果は「あんまり儲からなかった」というところです。おそらく長くやっていれば儲けは出ていたのではないかと思います。

具体的にどんな戦略か?というと結構単純です。
下記の先物を、毎週パフォーマンスが高いやつをショートし、低いやつをロングする、というのを繰り返すトレードです。
・日経225
・台湾加権指数
・ハンセン指数
・ハンセンチャイナ指数
・韓国KOSPI
・オーストラリアASX200
・MSCIシンガポール

今やろうとしたらできるのかな・・・。
CFDの取引でできるかもしれませんので、今度調べてみますね。

そんなこんなの日々を送っていると、リーマンショックが発生したのです。

毎日すごい勢いで損失を重ねていくわけですが、その報告を本社にする役目を私ぺんたゴンチャが負っていました。この部署はオプションも大量に取引をしていたので、相場がなん%変動すると、どれくらい損が出るのか、などを計算していたのでした。

会社としてのリスク規定があるので、「待っていれば回復する」と思っても、売らざるを得ないわけです。どこの金融機関もこれは同じで、ひたすらみんな売りまくるわけです。

そうすると、買い板がないのです。売る量のほうが圧倒的に多いので・・・。

しかも、流動性の低いCB(転換社債)なんかは、完全に買い手がいません。で、投資先の会社が普通にデフォルト(債務不履行)するとかしないとかが話題になって、少しでも取り返しに行くぞ!ということで上司は債権者説明会にも出かけて行ったのでした。

こういう事態のことを、「信用収縮」と言います。

お金を貸して、ちゃんと返すという確証がある程度あるから、金融商品の売買が成立するわけです。
しかし、このように投資先がつぶれるようなことが現実に、しかも頻繁になると、「カネを出しても返ってこない」という恐れが市場を支配し、誰も取引しなくなります。

さて、この状況になると、ハイエナ的な商売をする人たちが出てきます。破産債券戦略とか言ったりします。私の部署にも、某投資銀行からデフォルトを起こすような会社のCBを買い取ります、という営業マンが来ていました。

本来100円で償還されるべきCBを、5円とかで買い取るわけですね。破綻したら0円なので、それよりはマシということで、この人たちに売るのです。買い取ったプレーヤーは、格安で買った債券のうち、一つでも100%で回収できれば、利益が出るわけです。

ところで、そのころは街に出ると、あれだけ捕まりにくかったタクシーが楽々拾えて、予約の取りにくかったレストランが簡単に予約できるようになりました。バブっていた人心が沈み込んだのです

これがリーマンショックの時期に証券会社で目の当たりにした風景です。

今の私の相場分析にこういう経験は多分に影響しています。

つづく・・・(のか?)